№4927 「塔」一月号・陽の当たらない名歌選1

      「塔」一月号・陽の当たらない名歌選1 悲しみを誰とも分かち合えぬ日の晴れながら降る雨の冷たさ 大橋春人 祈りとは見えないものに触れること 前歯の裏に歯ブラシ当てる 竹内 亮 白壁の待合室のしずけさをくっきりさせる無音のテレビ 高松紗都子 あなたの無事を願ひはしても祈らない わたしのなかに聖堂は無い 小田桐 夕 曼殊沙華祈りのかたちに咲きみちて注射針二本喉下を突く 大…

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№4926 第一歌集読みたかったぞ!

 「塔」一月号を読んで、また、逝去された歌人の記事にがっくりした。紺屋四郎さんの追悼の一文である。松島良幸さん、あなたの髪を刈らせてください、である。「塔」に入会したころ、僕は松島さんの歌に強く惹かれた。奥さんの介護をしながら、理髪師として生きていかねばならぬ生活の苦しさも歌っておられ、その短歌を毎月読んでいたものだ。松島さんと僕は、短い文(ふみ)の交流があったと思ったが記憶は定かではない。選者…

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№4925 プーサン

     プーサン   黑田英雄 集中力に秀でた女優ぞ杉咲花背丈(タッパ)なくとも目ヂカラの迫力(リキ) 液晶の小蜘蛛の影添ひ二十度(たび)『時をかける少女』再び生きる 歌三首出来ればもうそれで良しけふの一日(ひとひ)も無事に流れて 第一歌集上梓したれば逝くことの易くなるかも冬がまた来る 日経平均NYダウ越えゆけば窓閉め眠る夜の忍び来 人が善い性格短所の時代(…

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