№4908 内藤陳の食事の美しさ

 僕は子供時代から、人と喋りながら食事を取るという習慣がない。叔母と母の長話を聞きながら黙々と食べていたし、飲むのは集団でわいわいやったが、喋りながら食事を取るということはついに身につかなかった。だから、テレビのホームドラマなんかを見て、みんなでべちゃくちゃ喋りながらご飯を食べているのは完全なるフィクションだと思っていた。食事は新聞や本を読みながらするのが私の習慣で、食事中は人は避けてきた。

 ところが、この年になって、初めて喋りながら食べるという経験をさせられている。競馬をやる週は必ず、競馬好きの若主人のやっている近所の蕎麦屋に行く。まあ喋るわ喋るわ。競馬の話はいくら喋っても尽きない。食事しながら私も喋る。ああこれがホームドラマの感覚かと思った。会話が途切れるのは他の客が来た時くらいだ。しかし若主人、戻って来てまた競馬談義。なんか、疲れて、食べた気がしなくて、肉まんなか買ったりしてしまう。喋るというのは、お腹がすくものなのだなあ、と、今さらながら思った次第である。よくもまあ人は喋りながら食事するものだと呆れた。昔、内藤陳が、新聞を隅々まで読みながら食事をしていたのを見たことを思い出す。ああこれが、美しい食事の場面だと思ったものだ。

 てな訳で、今週、阪神ジュベナイルF、参戦決定。メンバーを見て、簡単に軸馬が決まったのでやります。今週も、蕎麦屋の若主人と、べちゃくちゃ喋りながらのお昼になるんだろうなあ(泣)。今週は、とろろ蕎麦を食う予定である。

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