人類がごきぶり嫌ひ止めたなら戦(いくさ)は消ゆると真面目(マジ)にわれ思(も)ふ
生きるとはマネーの流れ激しい流れもう死にたいと迎へし朝も
見上ぐればかすみ雲の膜禁煙の日から余生とふかあく息吸ふ
『野良犬』と『二十四の瞳』夏にこそ観つめむ昭和の汗と涙を
かつて株語りし母の唇の紅にも似たる夕陽に染まる
背(そびら)より吹く北風(かぜ)首にうけとめてうつむきし母の頂の白しも
名刺持たぬ一生できつと了へるらむ名刺受け取りほほゑみ返せば
司葉子、星由里子姉妹の微笑みにゆふべすがりて『女の座』観る
生活とは逝くまでつづきて液晶の麻丘めぐみの笑顔直視す
第一歌集編むこともなく逝きにしひと阿部美佳の歌泛かび北風(かぜ)浴ぶ
歌詠みて季折折の風浴びて敗戦処理の残生歩まむ
叔母への思慕切なきなみだ『しろばんば』芦川いづみの瞳の湖(うみ)よ
紀伊國屋エスカレータ前待ち合せに佇むひとのもうあらなくに
はしやぎたる園児ら見つめ後八十年は生きてゆくのか ぞつとした
総裁選伊東市議選無駄ばかり見せつけられて熱波にうたれて
積極財政高市早苗好めども右傾けば日の本沈まむ
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