ここに名を挙げよう。津波なつ、阿部美佳、姉野もね、田中雅子、井上良子、増田美幸。僕より全然若い、本当に若い、稀有な才能を持った歌人たちが、どうしてこうもこの浮世にとっとと見切りをつけて向こう岸に渡ってしまうのか。私は、彼女たちの歌集が出るのを本当に楽しみにしていた。田中雅子だけはかろうじて間に合ったが、その他はことごとく、一冊の歌集も上梓せずにこの世界を放擲した。田中雅子にしても、いくらでも将来性のあった歌人だ。僕は彼女の情念と感傷に満ちた恋愛歌をもっともっと読みたかった。本当に読みたかった。ひたすら寂しい限りである。僕の好きな歌人はみな夭折する運命にあるのかと自らを恨むことさえあった。増田美幸さん、とても気の強い人だったろうと思うが、歌は美しかった。そして彼女の歌には、常に凛とした品があった。本当に悔しい。増田さんもそうだが、僕の印象では、鹿児島にはいい歌人が多い。鹿児島の女性歌人は本当にいい。長寿社会と言うが、歌人、それも、いい歌人に限って寿命が短い。それが本当に悔しい。
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1月30日「東京暮色」昭和32年小津安二郎 原節子・有馬稲子・山田五十鈴・須賀不二男・高橋偵二・山本和子・信欣三・中村伸郎
1月31日「めぐりあい」1968年恩地日出夫 酒井和歌子・黒沢年男・進千賀子・森光子
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永田愛