№2740 「鼓ヶ滝」

 競馬完敗。諸事情の都合により、来年2月まで競馬をやりません。テレビ観戦のペーパー馬券で楽しみたいと思う。今日勝ったロードクエストは、来年のクラシック路線の主役になるかもしれない。強い内容だった。期待する。

 「花燃ゆ」が実に面白い。文さんだからではないだろうが、文月から面白くなった。27話「妻の戦い」28話「泣かない女」、この辺りから文さんのアイデンティティというものがぐっと立ち上がってきて、彼女の視点のドラマとなり、周辺の政治とも違和感なくドラマに描きこまれ始めた。今日の「孤高の戦い」もよかった。文さんの台詞にぐっときた。「高杉さんは、ずっと一人だったんです」これはいい台詞だ。脚本家は、高杉晋作を理解していたと思える名台詞なのだ。僕はかつて「塔」に、高杉晋作へのオマージュ連作二首を発表した。ただこれは、読者には2000%理解できなかったと思う。それはそれでいい。違う考えを持って読まれるのも短歌というものだ。高杉晋作は一人だったという台詞は素晴らしい。文と久坂玄瑞の子を生んだ辰路との関係も今から期待できるところだ。彼女は辰路の子を自分の子として育てる。そのへんにどういう葛藤があったのか、ぜひドラマで観たい。「短歌人」「塔」誌に私の「花燃ゆ」に対する批判の歌が掲載されるが、前半戦は本当に視点が定まってなくて私をイラつかせたのは間違いないからだ。

 「浅草お茶の間寄席」を観て感動した。「鼓ヶ滝」という西行法師の和歌を題材にした落語にいたく感動した。鼓ヶ滝を詠んだ西行法師の和歌を、夢の中で出会った和歌好きの三人家族によって原型が残らないほど添削されてしまい、それを西行法師はお見事といって頭を下げたという話だ。これは夢であるのだが、大半の人は添削されて激怒するのだが、西行法師が頭を下げたというところに落ちがある。歌はこうだ。西行法師の最初の歌「伝え聞く鼓ヶ滝に来て見れば沢辺に咲きしたんぽぽの花」。この歌を夢の中の三人家族はこう添削する。「音に聞く鼓ヶ滝にうち見れば川辺に咲くや白百合の花」。僕も落語を聞いていて、素晴らしい添削だと感心した。落語っていうのは凄い。こんな、和歌を題材にした落語があるとは夢にも思わなかった。また、驚いたことに、この話をネットに検索したら、ななななんと、関西の笑福亭鶴光の得意ネタだと知ってまたびっくり。どう考えても、和歌と鶴光に共通点がないのだ。動画を探し出して高座を聞いた。見事の一語に尽きる。いろんな現代ネタを散りばめて、この和歌落語を盛り上げている。落語って奥が深いなあ。和歌を取り上げた落語があるとは夢にも思わなかった。僕は、高杉晋作に対するオマージュの二首も深いものがあるが、鶴光の落語も一級品である。僕は還暦を迎えるに当たって、落語に目覚めた。落語は、今後とも追及していきたい。

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