№2920 「塔」七月号・陽の当たらない名歌選2

      「塔」七月号・陽の当たらない名歌選2 切り窓は音の無い夜にあける窓 月が隣家の屋根から昇る 小川ちとせ ガラスとはひかりの歪みにたへながらたたずんでゐる傷なのだらう 小田桐 夕 信号の青にそまりて雪片がながれくる道 終バスを待つ 朝井一恵 夜のバスの天井の灯に照らされてわが静脈の青みて太し 高野 岬 怪談を読んだ足先ぴたぴたと玄関の施錠たしかめに行く 上澄 眠 小…

続きを読む