№2752 昔々亭桃太郎の危うさ

 九月二十日放映の「浅草お茶の間寄席」を観て、僕は凍りついた。この番組は毎週観ているが、真打と言っても面白い落語家などはほとんどいない。それでも柳家喜多八を知ることができたのは幸福だった。彼はある種、鬼気迫る負の笑いのエネルギーの迫力で観客を心地よく巻き込む。彼のライブは、また観てみたいと思っている。もう一人面白いのが、昔々亭桃太郎である。彼は古典もやるが、新作落語もやる。三度見ているが、普段笑…

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№2751 楽しい激怒~ヘタレ!!~

 久しぶりに、私を楽しく激怒させるコメントをいただいた。いわく、「ヘタレという言葉は絶対に使わないで下さい。そんな言葉を使っても誰の得にもならないのですから」(大意)。す、すばらしい名言だ。これこそ、今の歌壇を象徴する言葉ではないか。他者を評するに過激な言葉を使わず、損得ばかりに汲々としているのが今の歌壇であり、歌人なのだ。だから歌壇は相変わらず面白くなく、発展もしない。  コメント子よ、…

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№2750「塔」9月号・陽の当たらない名歌選1~クレーン~

      「塔」9月号・陽の当たらない名歌選1 死んだ人を偉いとだれもが言ふ日々を草抜きながらわれは過ごさむ 澤村斉美 クレーンがまぶしき空へのびてゆくわたしいつまで若かったのか 村瀬美代子 朱に染まる高架をゆけばビルの間に患部のごとき陽見えて消ゆ 田村龍平 主張する声の張り聞くぐずぐずの曇り懐かし 御所にいきたし 山内頌子 雨の日に夫が作るのり巻きに生きてていいとゆるされて…

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